一流ホテルに憧れはあるが、実際どんな仕事内容なのかわからない人も多いのではないでしょうか。
イタリア料理留学2年を含む7年間イタリアンで調理師として働いた筆者が料理仲間から、ホテル調理師のリアルな労働環境を聞きこんだ内容をわかりやすく解説しています。
まずは、ホテル調理師のしんどいやきついと言われている理由から解説していきます。
記事作成時に一部こちらの記事情報を参考にしています。【シェフが解説】ホテル調理師はきつい?辞めたい人が知るべき働くメリット |
総合順位 | 公式 サイト | 特徴 | 口コミ 評価 | 求人数 | 実績 | サポート | 求人 地域 |
1位 | フーズラボ | 実績 №1 | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | 全国 |
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ホテルの調理師のしんどい・きつい理由
労働時間が長い
ホテルのレストランは早朝から深夜まで営業しており、長時間のシフト勤務が必要となります。
人に欠員が出た場合、朝食とディナーの業務を担当することとなり、一日中休む暇もないほど忙しくなります。その場合休みが取りにくく、体力的にも精神的にも負担がかかります。
朝食→ ランチ→ ディナーと営業時間が街レストランと比べて長い
人間関係&上下関係が厳しい
厳格な上下関係が存在し、上司や先輩からの指導は非常に厳しいのが特徴です。
特に新人には細かいことまで厳しく指導されることが多く、精神的なプレッシャーがかかります。町のレストランも厳しい部分は同じですが、人数が圧倒的に違って50人規模となるところが多く組織的運営をしています。つまり、上下関係だけでなく横のつながりの人間関係も重要となってきます。
この環境はスキルを向上させるためには役立つ反面、ストレスも大きくなってきます。
ホテル調理場は、50人~300人規模となり人間関係が複雑になりやすい
転勤がある
大規模なホテルチェーンでは、他の店舗への転勤が頻繁にあります。
新しい環境に適応しなければならない上、引っ越しなどの負担も伴います。思いがけず離職する場合も多く、急な異動がしばしばありあります。
特に家族がいる場合は、生活のリズムが崩れることが大きなストレスになってくるでしょう。
転勤は家族の理解がないと難しい
低賃金
長時間労働にもかかわらず、給料が低いのが一般的です。
特に若手や新人の給料は低く、経験や年数を積んでも大きくは上がりません。このため、生活の質を維持するのが難しくなります
ホテル調理師の平均年収は355万円 月額では25万~30万円が目安
ホテル調理師のデメリット
偏った世界観になりやすい
偏った調理技術、偏った料理感覚、偏った知識に陥ります。
飲食の中では、数十人と人数的には多い職場ですがホテル調理場の独特の雰囲気が偏った認識となります。その理由は総料理長の影響力が大きく部下はそれに従う風潮からくるものです。町のレストランでは外の競合店との交流がありますが、ホテルという大きなハコの中ではその雰囲気が当たり前となっており自然と偏った認識となってしまいます。
ホテル調理場は、総料理長の影響力が強く偏った価値観になりやすい
サラリーマン化しやすい
細分化した業務が多く、調理経験があるのにある一定のことしか出来ないにんげんになってしまう。
指示待ちにんげん、主体的に動こうとする力がなくなってしまいがちです。
向上心のある自発的な動きは生意気と思われ、結果サラリーマン化する
特定の仕事しか出来ない
大量調理の知識や技術は身に付いても接客、栄養学、衛生面、原価計算、クレーム対応など町のレストランでは日々起こっている業務が身に付かない可能性が高い。
ホテル業界でしか通じない業務が多い
人間関係が横と上下がありしんどい
品格、格式高いホテルでは未だ上下関係は厳しいが、それだけにとどまらず同僚の人数が多い為、嫉妬や妬み、つらみが起こりやすい。
ホテル調理場は、50人~300人規模となり人間関係が複雑になりやすい
ホテル調理師のメリット
手厚い教育を受けられる
新人として入社すると企業として組織的に手厚く受け入れがあります。
新人を育てるという教育方針が強いホテルが多く逆を言えば下積みが長いという捉え方もあるでしょう。
人材育成が重要視され正しい知識や技術を習得できる
キャリアアップが見えやすい
調理に携わるころには技術、知識が得られうまくいけば順調に昇進となります。昇進が進めば、待遇もよくなり部下が増えチーフ→料理長→総料理長と進めます。
ホテル業界に身を置くのであればキャリアアップはしやすい
勤務形態が安定している
業務内容がマニュアル化されており『この人がいなかったら何も出来ない』という危ないシフトは組みません。
つまりシフト前提で勤務体系が作られており、有給取得や休みがとりやすい環境です。
ホテル調理場は勤務体系が確立されていて無理な労働は比較的少ない
箔がつく
仮に転職を考えた時、○○ホテルという『箔がつく』状態になり飲食業界での幅だけでなく異業種への幅も広くなります。
ホテルブランドで自らの価値が自然と高まる
ホテル調理師に向いている人
基本的には調理師全般に言えることがほとんどです。
街のレストランで働くのと違うところは、組織の中で働くので社会人としての正しい立ち振る舞いと協調性が重要となってきます。
仕事内容と労働環境
ホテル調理師の仕事内容
仕事項目 | 内容 |
---|---|
食材の仕入れと管理 | 食材の発注と在庫管理 、食材の受け取りと検品 |
メニュー開発 | 新メニューの考案、季節の食材を活用した特別メニューの作成 |
食材の準備 | 野菜の洗浄とカット、肉や魚の下処理 |
調理作業 | 各メニューの調理(焼く、炒める、煮るなど)ソースやスープの仕込み |
盛り付け | 料理のプレゼンテーションと盛り付け |
衛生管理 | 調理台やキッチンの消毒と清掃 、食材や調理器具の衛生管理 |
厨房の管理 | 調理器具のメンテナンスと管理 、シフト管理とスタッフの教育 |
顧客対応 | 特別なリクエストやアレルギー対応、クレーム対応 |
イベント対応 | 宴会やイベントでの料理の準備と提供 、報告と打ち合わせ |
ホテル調理師の労働環境 休日数の目安
ホテルの就労規定によりますが、組織が大きくなると就労規定がきちんと整備されています。
ホテル調理師の労働環境 1日の勤務時間
業務が細分化、マニュアル化されており飲食業界の中ではかなり労働環境が良い職場と言えます。
ホテル調理師 きつい1日のスケジュール
- 8:00出勤 個人の当日準備確認
服を着がえ、1日の計画を把握
- 8:30朝礼 ランチ仕込み&個人仕込み、全体仕込み
朝礼では当日の予約 欠員が出た場合の対応など確認
- 9:00仕込み&個人仕込み、全体仕込み
前日仕込みの仕分け、簡単な切り出し
- 11:00小休憩
進行具合により盛付継続
- 12:00宴会スタート
忙しさのピークとなる時間 お客さんのペース配分で配膳していく
- 15:00調理場清掃 クリンネス ディナー内容の確認
夜の仕込み準備、進行具合を話し合う
- 15:30小休憩
進行具合により仕込み
- 16:00遅番へ引継ぎ確認 ディナー仕込み
主に遅番担当へ引継ぎの共有
- 18:00退社
当日の予約客数、仕込みの状況により変わってくる
通常はこのようなスケジュールで業務をこなしていきます。
外的要因、お客さんの進行が遅いなどでタイムスケジュールは変わってきます。街のレストランと違うところのひとつとして『シェフを始めとしてチームワークが優れている』ので少しの遅れ程度であればチームワークでなんとかなってしまいます。
ホテルの繁忙期
3月下旬(春休み) 7・8月(夏休み) 12月下旬(冬休み) 4月下旬~5月上旬(ゴールデンウイーク)
人の動きが多い時期は非常に忙しくなるのでスケジュール通りには進みません。
ホテルの閑散期
1・2月、4月の上旬、5月の下旬などが閑散期となります。
長期休暇、大型連休の前後は需要が落ち着きます。
実はその時期は調理することは減りますが、ホテル全体で新メニューの開発、新プランの提案、クリンネス、業務改革などを進めていくので意外に忙しい場合があります。
ホテル調理師 部門の配属先
ホテルは大きく分けて5つの部門に分けられています。
- 宿泊部: チェックイン・チェックアウト、予約管理、客室サービスなどを担当
- 料飲部: レストランやルームサービスを運営し、メニュー開発や食材調達
- 宴会部:イベントや宴会の企画・運営を担当し、顧客の要望に応じたサービス
- 管理・営業部門: ホテル全体の運営管理、収益管理、マーケティング活動
- ブライダル部門: 結婚式の企画・運営を担当し、顧客の特別な日をサポート
料飲部はレストラン部門、宴会部は宴会調理部門とも呼ばれています。
レストラン部
【代表的なレストラン】
フレンチ
イタリアン
中華
和食
ステーキハウス
カフェ&バー
ホテルに入社し宴会部で5~6年ほどの経験を積んでレストラン部に異動するパターンが多いです。
宴会部
【代表的な宴会例】
忘年会・歓送迎会
講演会
記念式典
ディナーショーなど
【婚礼】
ブライダル
ホテルへ調理師として入社するとほとんどの場合は宴会部へ配属されます。
その理由は、調理の基本的なことを学ぶ為もありますがホテルとしての規律、格式、品格を基礎から学んでいくという意味もあるようです。
ホテル調理師勤務のリアルな口コミ
辞め方手順
辞めると決めたら強い意思で計画的に進めよう
ホテルで働くことに関して違和感を感じているんのであれば早い段階で、強い決意で進めましょう。
退職理由を持ち出すと必ず説得になります。
説得されてあいまいな返事で長引かせてしまうのはあなたのキャリアプランや職場においても良いとは思えません。
自分で言えない場合は全国区の退職代行サービスを活用しましょう。
ホテル調理師 退職理由NGワード
ホテル調理師を辞める時には順序がありますが、『NGワードの退職理由』があるので注意しましょう。
やりがいのある仕事をもらえない
NGな理由→本人の未熟さ経験不足を指摘され、説得される場合がほとんどだからです。
労働時間が長すぎて体調を崩してしまった
NGな理由→求職の提案、業務改善を持ち出すが労働時間の改善はすぐの解決は皆無だから。
労働環境の不平不満を理由にする
NGな理由→無事に退職した場合、人間関係が悪くなる。円満退社が出来なくなるから。
自分に対する評価が悪い
NGな理由→人事評価は人によって様々な為配置転換だけでその場を取り繕う可能性があるから。
ホテル調理師 ポジティブな退職理由ワード
円満退社をするには多少事実とは異なる理由を伝えることも必要になってきます。ほとんどが同じ印象業界へ転職をしていますので可能な限りポジティブな理由で退職するのがベストです。
スキルアップの為に環境を変えたい
ポジティブな理由→成長の為に辞めたいという理由は業界内では筋の通った理由だからです。
極度の体調不良
ポジティブな理由→このまま続け得ると体を壊してしますという事例を徹底してアピールする方法です。
親が体調不良 急遽実家に帰らないといけなくなった
ポジティブな理由→親の介護、事業を引き継ぐなど家の事情でにごわす方法であればだれも傷つけません。
円満退社のポイント
仲の良い先輩や同僚に相談し漏らすことのないようにしましょう。
辞める相談をする相手は口の堅い、あなたが信頼できる人だけです。
最悪な辞め方
退職願いを出して、退職するまでの期間が極端に短い
民法第627条第1項では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職希望日の2週間前までに退職届を出せば退職できると定められていますが、一般常識として2か月前、遅くても1か月前には退職願いを出します。
特にホテル調理において人数も多く人事配置は重要となるので人に迷惑をかけることがない手順を取りましょう。
まとめ ホテル調理師辞めたい 勤務時間や仕事内容を詳しく解説
格式あるホテルで働くことは社会人になるうえでたくさんの学びがあります。
筆者の友人はとあるホテルで10数年働き、車好きが講じて車の営業へ転職を試みましたがそのほとんどの求人で採用を勝ち取りました。組織の中で働いたことによる協調性、コミュニケーション能力は高いと評価されたのだと思います。
ホテルへの就職を迷われている方、ホテル在職中で辞めようか迷われている方のお役に立てれば嬉しいです。
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