料理人の修行は必要なのか?【元イタリア修行経験者が解説】

イタリア
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筆者は18歳から地元を離れ、大阪の料理専門学校へ通いながら3人の住み込みアルバイトで生活格式あるイタリアレストランでホールや料理、ピザ、ワインの技術や知識を習得しながら23歳まで働きました。23歳から料理と語学が併設された学校に留学ししっかり2年(学生ビザ1年更新)各地を転々としながら単独で修行。その後地元へ帰り、イタリアレストラン勤務を約1年、その後転職し会社員として勤務しています。

夢に向かってエネルギッシュだった8年間は間違いなくかけがいのない宝物でした。しかし、その頃から抱いていた”修行は必要なのか?”という疑念にも似た疑問を今、はっきりと回答出来ます。少しだけ先輩である筆者の回答があなたとって参考となることを願っています。

結論 6割必要ない

料理修行が必要でない理由その1 知識面

中途半端な回答かと思われるかもしれませんが、本気で思っています。以前あの有名な堀江貴文さんが旧Twitterで下記のように呟いてフォロアー内で議論となりました。非常に面白い観点で、堀江さんが言いたい事はざっくり言うと、どうして修行という長い月日を経て技術を習得する必要があるのか?知識であれば今どこでも習得出来るし、魚を捌くのだって委託すればいいじゃないか。という主張です。

SNSがここまで広まっていない時代では考えられないほど情報が溢れており知識を習得するのも大幅に短縮する事が出来ているのは事実です。原料である肉、魚、野菜の処理方法はYouTubeを開くだけで手に入りますし、しっかりと解説もしてくれています。下記は焼き肉屋さんは教える肉の捌き方を丁寧に説明されている動画です。料理業界には専門レストラン、焼き肉屋、居酒屋、バー、カフェ、寿司など様々なカテゴリーの分野が存在していますがそのほとんどで知識や技術が公開されています。

【必見‼】焼肉屋が教える本格的肉捌きの技術指導編!!

料理修行が必要でない理由その2 人員不足

私が現役の頃は、熱意を持った若いコックが沢山いました。しかし、現代の日本においては人口減少が進み、3Kと言われる業界を敬遠する情勢、低所得などの複合的な理由で従事する人数が大幅に減ってきました。ですので、昔のように”俺のやるところをみて習え!技術は見て盗め”など言っている人たちは自ら超過労働を進める事となる為、丁寧に教え込む姿勢となってきたように思います。

料理修行が必要でない理由その3 アウトソーシング

堀江さんがおっしゃるように、卓越した技術や選ぶ力がなくともその専門分野の業者が目利きをして、最終的な処理をしてくれる委託業者も沢山増えてきました。以前のように、この魚は〆てから何日が一番美味しいなどの経験値が必要なくなったのです。近年の飲食業界においては、いかに組織的に作業を効率化させて利益をだしていくか、料理の味はもちろんだがその演出効果、SNS活用に重点を置いてきているお店は少なくありません。

身近な海外

筆者は格式あるイタリアレストランでディナーはセコンド(2番手メイン料理担当)として、ランチはパスタを担当していました。系列のお店が12店舗(フレンチ、スペイン、クレープ、お菓子)あったのですが海外経験者は2人くらいしかいませんでした。私よりイタリア料理やワインの知識が薄い1番手の先輩はイタリアに行った事がないのに、あれこれ指摘をしていてどうしても納得がいかなかったのを今でも覚えています。もちろん当時尖ってはいました(笑)その当時でさえ、自ら語学学校を探し留学修行を成し遂げる事が出来ました。世界の料理の知識を習得するのであれば、一番手っ取り早いのが実際に行く事が近道です。今では多くの留学エージェントがあり、あなたのニーズ、現地の生活サポート、事前の語学研修を含めてサポートしてくれるのでうらやましい限りです。

留学エージェントを活用すればすぐにでも単身海外へ生活し本場の料理を見て、食べて、調理することが出来ます。このように簡単な方法があるので、絶対に利用すべきです。筆者は個人で動いた為、学生ビザ( ;∀;)取得にか月くらいかかってしまいました( ;∀;)

留学を決意したら、在職中に語学習得をする事をお勧めします。英語、イタリア語、ポルトガル語、フランス語などですが、独学で学ぶと仕事をしながらではよほど強い心がないと難しいです。現地へ行って学べばいいという甘い考えでは語学は習得出来ません。想像してもらいたいのですが、海外で経験を積んで日本に帰った時、あなたはあなたが思っている以上の価値があるんです。まず海外へ飛び出した主体性、行動力、料理と語学すべてにおいて他人からは素晴らしく魅力的で光って見えます。筆者は帰国した際すぐに感じましたし、転職した時にも大いに役に立ちました。

大げさではなく一生の宝物です。

4割は料理修行が必要

極論を言えば、ネットやSNSまたは本などで知識を習得し、飲食店未経験の状態で自らのお店を開店させたらどうでしょうか。大きな企業がブランディングやマーケティングを後押していているのならまだしもあえなく閉店となるのが関の山でしょう。

料理修行が必要な理由その1 商い経験

飲食店は商売です。ただ美味しいものを提供するだけでは成功しません。接客、料理、店内雰囲気、外観、会計、仕入れ、従業員の調整など修行(経験)をしないと得られない多くの実践経験が欠落しています。また、細かく言えば料理を作る側と、提供するサービスでその役割が違いそれぞれが習得した経験で生かされる場面が実際の現場では起こりえるのです。

料理修行が必要な理由その2 変化に弱い

修行を経験することで様々な場面を見る事が出来ます。例えば、いつものお肉が世界情勢で手に入らなくなってしまったから代替品は何にしようか。グランドメニューの魚が時化で手に入らないので違うメニューに変えなければいけない。などのイレギュラーな場面がかなず発生します。その時に、あなたはすぐに対応出来るでしょうか。

料理修行が必要なのか?の問いに対しての結論

修行が必要かの問いに対して、筆者は6割必要で4割必要ないという回答でした。つまり修行、言い換えると経験は積んだ方がいいという事です。確かに、昔のような意地悪のような無駄な修行は絶対に必要はないと思います。飲食店は”人”で成り立ちます。経験値のある店主、オーナーがいるお店はどんなイレギュラーがあったとしても対応できるでしょう。それが変化に対応できる人間と言われる部分です。

理想でいえば、3年間最低限の経験を積み、あらゆる媒体で知識を習得し起業するのがいいでしょう。効率よく知識習得するのは素晴らしい事ですし、経験を積む事も大きな財産となります。

謙虚に、かつ自信をもってステップアップすることを筆者は願っています。

Buon studio all’estero Grazzie!

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