調理師として働きだして数年…自己都合でやめるとき退職金はどのくらいもらえるか気になりますよね!?
私の例で言うと、老舗イタリアンやフレンチを複数経営している売上11億、従業員300名規模の企業を5年間勤め、その後自己都合で退社しました。
結果、退職金は3万円でした。
思っていたのとぜんぜん違うぅぅ…
あなたはこの事実を聞いてどう感じたでしょうか。
仕事上、食にたずさわる方たちから退職金について聞き込みをしました。
一般データも踏まえながら解説しますので参考にして下さい。
自己都合で辞める場合退職金はもらえるの?
結論から言うと、『もらえません』または、『もらえる可能性は低い』です。
日本の会社は、退職金制度を利用していて辞める時にはかならず退職金がもらえるという意識でいるかもしれません。
しかし、退職金には法的な縛りはなくて企業が独自に決めているものなんです。
つまり調理師・料理人がはたらく調理や飲食の世界に限らず、もらえる会社ともらえない会社があります。
当たり前のようにされていますが、退職金制度は日本独自のもので世界的にみても珍しい制度で海外企業のほとんどは、従業員の老後をバックアップする確定拠出年金制度を採用しています。
就業規則に退職金の明記がなければ、支払いの義務はなく違法にもなりません。
退職金制度 法的縛りはない
調理師・料理人は退職金は期待できない!?
中小企業に属する場合がほとんどの飲食業界では、まず期待しないほうがいいでしょう。
私も無知だったせいもありますが3万円と聞いて愕然としたのを覚えています。
期待をしていた理由は、個人経営ではなく売上11億で300人規模の企業だったから。それなりの企業だからそれなりにもらえるんじゃないとむちゃくちゃ安易な考えでした。
すぐに就業規則の退職金規定を確認しましたがちゃんと明記されていました( ;∀;)
不信感があったけど、間違いなかった…( ;∀;)
とりわけ、個人経営の場合は皆無だと思ってください。
退職金制度を設けている企業の割合をグラフ化してみました。
令和5年就労条件総合調査|厚生労働省 を見てみると、退職金制度がある会社は全体の約75%なんです。
令和5年就労条件総合調査|厚生労働省 からの考察
退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は74.9%。企業規模にみると、従業員1,000人以上=90.1%、300~999人=88.8%、100~299人=84.7%、30~99人=70.1%と規模が大きい程に制度が整っている傾向があると判断できます。
過去調査をさかのぼれば、
退職金制度のある企業の割合は2003年=86.7%、2008年=83.9%、2013年=75.5%、2018年=80.5%と全体的に減少傾向にあります。
退職金制度を設けている企業は年々減少傾向にある
退職金制度の種類
退職金の原資の調達には
- 会社が独自に用意する
- 外部機関を活用する
の2通りあります。
支給の仕方は一時金型と年金型、両方の組み合わせがあり社員が自分のニーズに合わせて選べる仕組みを準備している会社もあります。
就業規則の退職金規定項目をしっかりと確認しておきましょう。
退職金を計算して把握する
退職金の制度を確認する方法
どのような仕組みで構成されているかの確認は、2通りあります。
会社が規定しているルールなので弱腰にならず、質問しましょう。大抵は快く回答してくれます。
会社の人事部や総務部の担当者に聞く
退職金規定を確認する
退職金規定 参考例文
参考例を引用していますが、文面の内容自体はそこまで難しくありません。
注意して見る項目は
- 退職金支給の対象
- 退職金支給の条件
- 退職金支給対象の勤続年数 これらに注力してみるといいでしょう。
会社規程(規定)・規則の書き方|社員退職金規程(中小会社・製造業) (kiteikisoku.com)
調理師・料理人向け 将来の貯金を確保する方法4選
わたしは、会社に頼る時代は終わったと思ってるよ。
日本政府が推奨する安定的な資産形成を
推し進める制度をフル活用しよう!
どんな考え方があるんでしょうか?
終身雇用が崩れた今、私は自分のことは自分で守ることが必要だと感じています。
料理人時代の先輩や周りの同僚は将来のことを深く考えていませんでした。それは、考える余裕がなかったというのが正直なきもちですが情報弱者は人生において確実に『損』をします。
ひとりでも多くの調理師・料理人さんに知ってもらって賢い人生設計をしてほしいです。
それでは具体的に将来の貯金を確保する手段を紹介します。
調理師・料理人として働き、iDeCoや新NISAを活用する
退職金制度を設けていない会社はおよそ25%。あなたのお店が設けていないとしましょう。
お店のオーナーが大好きで料理も素敵。ずっとはたらきたいと思う方も多いはずです。
これからも料理業界ではたらいていくと決めたら、iDeCoや新NISAを活用しましょう。
まだ、理解されていなかったら簡単な説明をしていますので参考にして下さい。
おすすめは新NISAの方で、理由はシンプルです。『非課税で必要な時に引き出せる』から。
iDeCo(イデコ)は、自分で積み立てて運用する年金制度、基本的には60歳まで引き出せません。
新NISAとは、2024年に導入された少額投資非課税制度、有事があった場合引き出せます。
私は、2つする必要はないと思っています。
現在ご自身の金銭状況に合わせていずれかの制度を活用しましょう。
調理師・料理として働き、退職金制度のある会社へ転職する
就業規則の退職金規定が明記されている企業へ転職するという方法です。
退職金規定は年数がベースとなっています。
なのでなるべく早く決断して、新たに決めた企業で長く勤め上げるというのが理想ですね。
外食チェーンでもホワイト企業として人気の企業もありますのでしっかりとリサーチしていきましょう。
異業種へ転職し、退職金制度のある会社へ転職する
調理師・料理人としてではなくそのスキルを活かして、退職金制度のある他業種へ転職する方法です。
多くの場合『職種』を変えるのでかなり勇気のいることです。
実際に私も、イタリア料理コックから退職金制度のある食品メーカーへ転職した一人ですので、その大変さは痛いほどわかります。
しかし、この方法は自分を大きく成長させるだけでなく家庭をもっていくうえで、家族も幸せにします。自己分析をしっかりと行って強みを活かした職種を選びましょう。
異業種へ転職し、iDeCoや新NISAを活用しながら退職金制度も活用する
退職金を確保するという考えの上では、この方法がベストです。
その理由は、
異業種では退職金制度を設けている企業は多くなります。
転職活動をする際、福利厚生も含めてこの退職金制度の有無を確実に調べましょう。
会社が準備してくれている退職金+自ら準備するお金で、将来設計がより確実性の高いものになります。
調理師・料理人って自己都合で辞める時、退職金はもらえるの?まとめ
将来のイメージを考える時期は、30歳前後。
調理師・料理人としてノッてきた時期になると思います。将来結婚して、こどもがほしくて、家を買いたくて…など将来イメージが出てくる中で就業先の『退職金』があるかないかはとても大事な要素だとわかってもらえたと思います。
私もそうでしたが、調理師さんは体育会系で負けん気が強い性格のひとが多いですよね。そして、自らの価値を高めていく職業でもあります。
どんな選択をするにしても自らのスキルアップ必ず必要となってきます。
そんなあなたを、『しょく選び.COM』は応援しています。
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