調理師専門学校って必要なの?意味あるの?【某調理師学校の卒業生が理由を解説】

飲食業界
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料理人やパティシエとして将来働きたいけど、

調理師専門学校へいくべきなのか悩む人は多いのではないでしょうか。

某調理師学校を卒業し、イタリア修行を経て食品会社へ転職した筆者がそんな”悩み”を解決します。

学校関係者でもない私が忖度なく結論付けています。

是非参考にして下さい。

筆者
筆者

↑コレ私のです。なつかしい…

調理師専門学校って必要なの?意味あるの?

結論から言いますね。

むっちゃ意味あります!

現在わたしは食品会社で仕事をしていますが、

完全週休2日制・土日祝休み・有給取得100%・年収500万以上の好条件で働いています。

今の仕事に就けたのは、調理師専門学校(調理師養成施設)に行っていたからと断言できます。

必要な理由

どうして必要だと感じているのか。その根拠を説明していきます。

根拠の補足として

私は、卒業から今に至るまで友人も含めてたくさんの料理人やパティシエ、飲食関係の人と一緒に仕事をしてきました。

現在の仕事柄、実際の現場で働く調理師さんと商談することも多くリアルな声が聞けています。

  1. 行った人、行っていない人の話を公平に聞いて
  2. 社会へ出てからの活躍や長い目で見た時の結果

から、必要だと結論付けています。

筆者
筆者

ちなみに…

私は調理師学校に知り合いが居るわけでも、お金をもらっているわけでもありません(笑)

具体的に、重要度が高い順に説明していきますね。

調理師免許が最短で取得できるから

学校に通うと最短の1年で国家試験である調理師免許が取得できるからです。

もう一つの取得方法は、独学での取得。

2年間の実務経験と年に1回の筆記試験ですが時間的に長くかかってしまいますし筆記試験は高いモチベーションと強い意志が必要になってきます。

にんげん楽な方に行っちゃうので意外に挫折しちゃいます。

幅広い料理技術の習得ができるから

独学取得の場合、そのお店だけの知識や経験となります。

学校は和・洋・中・エスニックなど幅広く料理の知識が得られます。

これってすごく貴重なことで、

就職して経験をしようとするとお店を何回も変えて働く必要があります。

実際、開業するために半年ごとお店を渡り歩いている人いて、

意識は高いんですがむちゃくちゃ無駄です。

受け入れたお店側としてもあまり良い印象は持てません。

正しい実践的な学習環境

就職すると、オーナーや料理長の考え方が”すべて”になります。

BOSSの言う事がぜったいの雰囲気なんです。

正しい知見もありますが偏った場合もあります。

学校での授業では、先生方から”正しく”実践的な内容を受けることが出来ます。

正しい知識を最初に知っておくことで、

就職先での調理方法や考え方に洗脳されず自分で答えを出せるというわけです。

就職・転職で有利になるから

学校を卒業すると同時に、就職先も紹介してくれます…

実はこの部分だけじゃなくて、長い目で見ても就職や転職で有利になるんです。

あなたがもし、大手外食チェーンの面接官だったら同じ年齢のAさんとBさんどちらを採用しますか?

【中途採用求人募集の場合】

  • Aさん ○○調理師学校卒 ○○店を3年勤務 
  • Bさん ○○店を4年勤務 

面接内容を省いて、手元の選考資料だけを見ると絶対にAさんを選ぶと思います。

それは、企業側にとって

Aさんの方がより調理師としての技術や知識が深そうだな

と直感的に感じるからです。

料理に世界に学歴は必要ないと未だに言う人がいますが、間違ってます。

料理の世界でも学歴は大事です。

意識の高い友達ができるから

私は強くアピールしたい部分。

調理師を目指す同年代の仲間がいて、友達になることは大きな財産になります。

もちろんいろんな価値観の人がいますが、

たった一人でもいいので同じ意識を持っている友達を作ってください。

そうすれば、卒業後もライバルとして切磋琢磨できる関係になります。

就職支援とネットワーク

少し触れましたが、就職支援やそのためのネットワークは有利な点です。

企業も飲食店側も信頼のおける調理師学校から紹介してもらった方が安心できます。

もっと深堀すると、

今人材不足で若手の調理師は特に貴重な存在となってます。

企業やお店側から見ると、待遇の良いホワイトな労働条件でないと応募すらしてくれません。

良い人材を確保するために調理師学校へ提示する求人は

ホワイト企業が多い傾向があります。

卒業後も手厚いアフターフォローがあるから

学校ですので、卒業後もふらっと恩師に会いに行ったり出来ます。

就職してからの悩みも聞いてくれますし、人としてのアドバイスもしてくれます。

独学であれば、こういった相談は絶対に出来ません。

だから結果的に1匹狼状態になって孤独になるんです。

また学校側としても卒業生へ向けての勉強会やセミナーを行っている学校もありますし、転職の支援をしてくれるところもあります。

横のつながりが出来るのが大きな特徴ですね。

【選択基準】調理師専門学校はどこを選べばいいの?

全国には調理師養成施設として206校の調理師学校があり、

うち約137校の専門学校があります。

地元か、有名な某調理師専門学校か。悩んでしまいますよね!?

結論を先に言うと、

将来的に見れば大きな差はありません!

料理の世界に入り、5年、10年、15年と経過すると共に

結局は自分自身のスキルが大切になってきます。

他の業界も同じです。

どんな良い大学を出ても結局は自分次第。

ただ、確実に言えることは先に書いた必要な理由と、

視野を広く持てるコト、や考える力がつくコトが学校の利点だと思います。

地元と有名調理師学校の違い

どの県も地元の製菓学校や調理師学校があるかと思います。

確かにこれらの違いはあります。

内容地元調理師学校有名調理師学校
学費100~150万200万以上
先生の数〇普通◎多い
生徒数〇普通◎多い
カリキュラム数〇普通〇普通
カリキュラムのレベル内容〇普通◎高い
扱う調理器具〇普通◎最新機器
就職紹介数〇普通◎多い
しょく選び.com独自調べ

学校ごとにそれぞれの特徴があるのでココが絶対におすすめ!とは言い切れません。

まず学費が違うことで、扱う食材や調理器具、そして1人の生徒さんにつく先生の数も変わってきます。

例えばですが…

最新のスチームコンベクションオーブンを使った調理授業があったとします。

最新のスチコン調理勉強したからと言って就職先で使ってなかったら意味なくない?

最新のスチコン調理を知っているのと知らないので知識量が違う!

どちらの意見も正解だと思います。

知識として学ぶことには大事です。しかし、学費や通学距離など総合的に考えていけば

人それぞれ違うので一概には言えません。

調理師専門学校を選ぶ判断基準

学校を選ぶ判断材料はこのようにたくさんあるのでまずは自分で調べてみましょう。

  • 中学や高校の先生に相談
  • 調理師学校のホームページ
  • 調理師学校のオープンキャンパスへ参加
  • SNSチェック
  • 口コミのチェック
  • 現役の調理師さん・料理人さんへ直接聞く

判断する『基準』は人それぞれです。

学費

場所

調理師学校のスペック(カリキュラム内容)

調理師学校の実績

 決断する

調理専門学校でいちばん実践してほしいこと4選

調理師専門学校に通う上で、声を大にして伝えたいことがこの4つ。

同じ意識の友達をつくる

入学すると料理やお菓子が大好きな仲間がたくさんいます。

その中でも意識の違いはどうしても出てきます。

私の場合今でも連絡を取っているのは2人だけ。

おなじクラスではなく住み込みで働き生活を共にした2人です。

共通して料理に対しての意識は高く夜な夜な『料理』について、熱く語っていたのを思い出します。

先生にたくさん質問する

先生と生徒の立場で、料理について質問するのは貴重な時間です。

就職し現場で質問するのとは違って気兼ねなく

『知らない』のが前提なのでどんどん聞いていきましょう。

調理師専門学校で学ぶ大きな利点です。

アルバイトよりも勉強優先

学費が高額だからと言って私のように住み込みでバイトしたり、ぎちぎちにバイトを入れるのは

大反対です。

今でも反省しています( ;∀;)

理由は、体が疲れて授業中もウトウトしてしまい、しまいには居眠りをする始末。

学ぶことが二の次の状態になってしまっていたんです。

学費のことは一旦置いておいて、授業や実習は集中できる環境を作りましょう。

学ぶときは全集中で学んでください。

即実践してみる

授業や実習で勉強したことは、すぐにやってみます。

  • 包丁の研ぎ方
  • 出汁の取り方
  • 魚のさばき方
  • 煮物の作り方

習ったらすぐやるのがポイントです。

とりわけ料理は毎日のことなので難しいことではありません。

1ヶづつ続けることで1年後には大きな習得に繋がります。

独学と調理学校卒は将来的に何が違うのか

例えばあなたが30歳、40歳になったと仮定しましょう。

年齢を重ねていくと自信のスキルもあがりますし、家族構成も変化していきます。

その中で、大きな変化のひとつである『職種の変化』が大切になってきます。

いわゆる転職を考えた時に調理師専門学校で取得した

  • 調理師免許
  • 体験

が大きく関係してきます。

学校では食に関するあらゆる業界・業種の職業の人と関係をもっています。

独学で学んだ人と比較するとこの部分が大きな違いです。

独学の調理師さん 調理師学校卒の調理師さん
取得期間2年間1年間
トータル費用2万円150万前後
負けん気◎強い〇普通
思考(マインド)固定概念や先入観柔軟な考え
業種の選択肢△狭い◎広い
しょく選び.com独自調べ

幅広い知識と学校の先生方と交流をしておくと、

私はこれじゃないと駄目なんだ!

という固定概念がなくなるはずです。

つまり、飲食業界だけでなく幅広く活躍できる

『生きるちから』

習得することができるんです。

調理師専門学校を卒業してからの就職先

それでは具体的な就職先を見ていきましょう。

個人経営レストラン

私の時もそうでしたが、大半は個人または小規模展開されている個人経営のレストランに就職します。

アットホームな職場が多いですし、繁盛店も多くあります。

やはり人気で忙しくお客さんが絶えない人気店で働きたいと思うのは自然な事ですね。

企業経営レストラン

大手外食チェーンや、企業として他業種展開している飲食企業を指しています。

働き方や待遇が明確で同企業内でスキルアップがしやすい環境と言えます。

組織としてもしっかりしているので勤続年数が長くなるのが特徴ですね。

病院・老人ホーム・保育園などの給食

料理の美味しさも大事ですが、安心・安全を優先しているのが給食業界です。

栄養学や食事指導など調理師としての知識以外に患者への対応が必要になる場合もあります。

働き方としては8時間労働がほとんどで、ライフワーク重視の職場とも言えます。

ホテル勤務

調理師専門学校卒で個人レストランに次いで就職先として多いのがホテルです。

有名ホテルは組織的経営ですし箔が付くので人気の職場。

ブライダルやビュッフェスタイルの形式もありホテル希望でも自分に合った職種を選ぶことも出来ます。

一般企業 食品会社など

食品メーカーは人気で有名四年生大学卒のライバルも多いので難関ですが、十分狙えます。

調理師免許保有、飲食で調理経験がありコミニュケーション能力が高ければ、

営業部や、商品開発部、マーケティング部への配属も十分可能です。

独立開業・フリーランス

学校を卒業して、すぐに開業するのも昔と違って不思議ではありません。

下積みがなくとも戦略次第では十分狙えます。

YouTubeやSNSマーケティング、SNS集客を駆使して少ない資金で集客することも可能となってきました。

知名度を高めてから独立開業するというパターンもありますね。

下積みなしで寿司屋を開業し成功された『かきださん』のYouTube取材。

海外での就業

円安の影響が色濃い今、海外就労は日本円換算で高い収入を得られます。

インバウンドでもわかるように、日本食は今や世界でも人気の食文化となりアメリカやカナダ、オーストラリアやヨーロッパではかなり増えています。

寿司sushiの人気だけでなく、

  • うどん
  • ラーメン
  • お好み焼き
  • そば

など、大手外食チェーンも含め海外進出が加速して、日本人の調理師さんが不足しています。

事実、私もイタリアで2年働いていましたが日本食レストランはたくさんあって働いている人のほとんどが中国人で残念ながら日本人は見たことはありませんでした。

日本人調理師さんであればだれでもチャレンジできるので興味があれば是非検討してみて下さい。

調理師専門学校 進学に対しての不安を解決

学費が高い

調理師専門学校の進学に対して一番気になるのが、学費です。

モノの物価で学費は高くなってますが、さまざまな制度を利用すればかなり減額となります。

2024年現在、

調理師専門学校のホームページを見ると学費に対してのアドバイスが載っているので確認しておきましょう。

  • 特待生制度: 成績優秀者や特定の条件を満たす学生に対して学費の一部免除。
  • 奨学金制度の利用: 日本学生支援機構(JASSO)や地方自治体の奨学金制度。
  • 教育ローン: 日本政策金融公庫や銀行が提供する教育ローンを利用。
  • 夜間コースの検討: 夜間コースは昼間コースに比べて学費が安い。
  • 分割払いの利用: 学費の分割払いが可能な場合も。

公的支援では、令和2年4月から高等教育の修学支援新制度が実施され家庭の経済状況に関わらず進学のチャンスが得られる制度がスタートしています。高等教育の修学支援新制度:文部科学省

稼げる仕事に就けるか不安

料理の世界は、労働時間が長くて給料が少ない。と耳にすることもあるかと思います。

確かに、飲食業界はまだ所得低い業界のひとつです。

しかし、人手不足やAI、テクノロジーの発達により働き方改革は大きく進んでいて環境は改善されつつあります。

食に携わる業界の給料推移も確実に上がっています。

不安に感じている人のほとんどは、レストランやホテル勤務の印象が強いからだと想像します。

しかし、『食』に関係する職業はたくさんあって、私のように食品メーカー勤務であれば

そんな不安を感じる必要はないと思ってもらえるはずです。

食品・飲料業の企業の年収ランキング

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時間がもったいない

飲食業界が合っているかわからない

調理師が自分に合っているのかわからない。

そんな気持ちは当然あると思います。いや誰だってあります。

実家が老舗そば屋を営んでいるという環境ではない限り、18歳そこそこで決断ができるわけがありません。

違うなと感じたら職を変えたらいいんです。

自分の気持ちに嘘をついて、大金を使ってしまったから、たんかをきって出てきたからと言ってずるずると続けるのははっきり言って無駄です。

確実な資産価値として残っているのが

調理師学校を卒業し免許を取得したという事実。

資産を最大化すれば、食に関する職業または異業種で大いに役立てることができるんです。

調理師専門学校に向かない人

反対に向かない人も当然います。

それは自分の意思が最強に強く、一生飲食業界で生きていくと決めた人。

老舗そば屋を営んでいる親の息子がそれにあたるかもしれません。

とにかく自分を持っていて、これだと決めたことにコミット出来る人は調理師学校へ進学する必要はありません。

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