知らない土地で飲食店を探す時あなたはどのような方法で評価の高いお店を探すでしょうか?
ほとんどの方がSNSや口コミと答えるかと思います。
近年口コミサイトが指摘を受けその信頼度が大きく揺らぎ、情報をまとめた企業発信ではなく信頼がおける『個人』の発信を重視するようになりました。
私自身、調理師としてお店側にいた者がおすすめする”失敗しないお店探し”をご紹介します。
忖度なくレビューしていますのでぜひ参考にして下さい。
【信頼ツール3選】プロの料理人が教える口コミ評価が高い飲食店を探す方法
結論から言うと、図のように
『Googleマップ』→『インスタグラム』→『食べ歩きブログ』が失敗しない店選び方法です。
今まで主流だったグルメサイトを、なぜ選ばなかったのかを説明していきます。
令和以前 口コミ評価が高い飲食店を探す方法は?
10~15年程まえまで、評価の高いお店を選ぶ基準で使っていた媒体は『食べログ』や『ぐるなび』でした。
当時は何の疑いもなくグルメサイトの評価を鵜呑みにしてお店を選び、また予約も簡単で、ポイントがたまるというお得な思いで使っていたのを覚えています。
実際お店側の立場としてもグルメサイトの集客力は絶大で多くの広告費と手数料を支払っていました。
それは私だけでなく多くの消費者、そして飲食業界ではそれが普通のことでした。
当時こんな会話をしたのを覚えています、、、
評価上げたいから、
うちの店の
ポジティブな口コミを
書いておいて!
えっ!?
お客じゃないのに
自分が書いていんですか?
いいのいいの。
従業員の前に、
お客さんでも
あるからね。
また少し前には、ポジティブな口コミの見返りに”デザート無料”や”ドリンク無料””20パーセント割引”と謳っていましたが現在、これらはすべて景品表示法の「不当な表示」として規制対象となります。
飲食ではないですが高評価の口コミで料金割引はNG 消費者庁が措置命令;Yahoo!ニュースで消費者庁が初めての措置をとったことを紹介しています。
今から10年前の2015年のデータで、最も利用率の高いグルメサイトは?の質問で、食べログ78.7%・ぐるなび73.5%・ホットペッパー61.2%で圧倒的な支持を得ている事がわかります。
最も利用率の高いグルメサイト・アプリは「食べログ」、一方アプリ利用は低調な傾向
2015年8月21日 10時00分更新
CSランキング総合ニュースサイトから引用
グルメサイトが以前より信頼を無くした理由とは
2012年には、「ステマ問題」が話題になりました。それは少し本質が違っていて「好意的な口コミを書いて点数を上げる」と持ちかける不正業者と、それに乗った飲食店が問題なだけであり、食べログは利用されただけの問題でした。
2020年5月、首都圏を中心に焼肉・韓国料理チェーンを運営する「韓流村」が、「食べログ」運営会社であるカカクコムを相手に独占禁止法違反で訴訟を起こした事例があります。
当時、食べログ評価採点のアルゴリズムが更新され、★3.5の評価が下がり直後売上が2,500万円と激減。不当差別する独禁法違反行為として、損害賠償とアルゴリズム差し止めなどを求めました。
公式[食べログ]点数のつけ方 は独自のアルゴリズムでレビューの信頼性を考慮し、最終的なスコアを算出しています。その都度変動していて★4.00以上は全体の500前後、★3.50以上4.00未満は全体のトップ目安3%とされダイレクトに集客に結びつくのでお店にとっては死活問題です。
ほぼ同時の動きとして公正取引委委員会はグルメサイトと飲食店にアンケートと聞き取りを行いました。
2020年3月発表の調査結果では、表示される口コミ評価は「飲食店及び消費者に対して、可能な限り明らかにし、透明性を確保すること」という『指導』が行われたようです。
私個人としての結論は、食べログ運営社カカクコムは上場企業であり、操作した場合のリスクが大きいため操作はしていないと考えています。
経験談として実際のところ営業電話がかかってきたのはカカクコムではなく代理店でした。一方で直接的な操作はないとしても疑念は0ではないことも確かです。
疑念を持たれてしまう、そもそもの原因は
『口コミサイトなのに飲食店から広告料を取るビジネス』だからだと思っています。私たち消費者もグルメサイト=口コミと捉えているのでその解釈も良くありません。グルメサイトはあくまでもビジネスとして展開されている以上、仕方がないと思います。
食べログPRのご案内 (公式) では、料金を支払う事でアクセスアップ、表現力アップ、ゴールデンタイム強化が可能と明記されています。
最新の世論アンケート
加速するグルメサイト離れ。「Google」利用率トップに。「食べログ敗訴は妥当」
- 調査期間:2022年6月27日~30日
- 調査対象:(ユーザー)全国20~60代の男女1100名/(飲食店) 全国20~50代の飲食店勤務の男女550名
Q.飲食店を検索する際、良く利用する手段をすべてお選び下さい。
下のデータ、2年前の2020年でGoogleマップは78.5%僅差で2位でしたが、2022年にはトップの指示率86.1%となり大きな差が出ています。
反対にグルメサイトは78.9%から61.3%と大きく割り込みました。
Q.グルメサイトでの点数・ランキング表示の信頼度として、該当する選択肢を1つお選びください。
毎年、グルメサイトを信頼しない層が拡大していることがわかります。
tablecheck.comから引用
全国20~69歳のグルメサイトを利用しなくなった理由アンケート
株式会社スパコロ調べより引用
食品会社の兼ね合いから多くの飲食店オーナーさんと会話する立場からいろんな意見をうかがうことが出来ます。その中で3人の責任者にインタビューすることが出来ました。ご紹介します。
6店舗を任されている回転寿司のエリアマネージャーさん
エリア
マネージャー
継続するか迷っています。
グルメサイトの効果が実感できていない。広告料やネット予約手数料を考えると費用対効果を感じていない。コロナ過は無料対応してくれたがその後は特に効果の実感が湧いてない。
個人で居酒屋を経営するオーナーさん
魚が旨い
居酒屋経営
Googleマップとインスタで十分
昔は登録してたけど、今は利用していないよ。無料のGoogleマップ経由でもお客さん来てくれるし、女性従業員へお願いしてインスタを頑張っているから全く問題ない。むしろお客さん増えているし、効果を感じてる。あと、うちは昔から食べ歩きブロガーさんがお店を紹介してくれるからコアなお客さんが多いし遠方からのお客さんも多い。
全国チェーン展開する居酒屋の店長さん
居酒屋
店長
うちは効果あるよ
団体客の幹事が良く使ってるね。うちの場合4,000円のコース8名以上で幹事さんを無料にしているからメリットも大きいからだと思う。少なくなったとは言え、新宴会や忘年会時期は利用者が多いよ。
Googleマップ
利用者の口コミが匿名でダイレクトに書き込みできるGoogleマップ。
純粋に口コミレビューに特化しているのが最大の特徴で、飲食店からの紹介料・掲載料は一切していません。批判的な口コミも申請(プライバシーポリシーの違反)があった場合を除いてはそのまま掲載されます。
こういった背景がGoogleマップを信頼する理由ですね。
厳しい言い方かもしれませんが、コロナ過で中途半端な飲食店が淘汰され資金豊富な企業と本当にお客さんに指示されているお店しか残っていません。その中で、Googleマップは更に信頼を加えた媒体として使われているという事です。
Googleマップが支持される理由
Googleマップに批判的な理由
批判的な意見はありますが、それ以上に信頼がおけるという評価が強いですね。
Googleマップで口コミ評価を見る手順
私が先日、家族で虎ノ門ヒルズ森タワーに行く用事があり、お昼にお店を探した経路を例に説明します。
①Googleマップ→②インスタグラム→③食べ歩きブログ
- step1まず現在地(新橋駅)から虎ノ門ヒルズ森タワーまでの徒歩経路を確認
- ここで検索の枠に『目的地』を入力
- 左下の経路↱をタップ
- 出発地を選択 『現在地』と入力
- ヒトのマークをタップすれば、下の画面のように推定時間が出る
- 目的地を保存しておく
- step2一旦戻って、目的地までの経路でお店を探す ※続けて虫眼鏡🔍マークで検索してもOK
- 左上の戻る◀をタップを押す
- 検索窓の×をタップ←初期画面に戻します
- 『近くの人気ランチ』と入力し検索
- すると画面に評価点が書かれたマークが出る
- 評価の高いお店をタップして見てみる
- step3料理ジャンルから探す場合は『近くの人気○○』を入力
当日、息子がハンバーグがやっぱり食べたいとのことで急遽人気のハンバーグで検索しました。
- 検索に人気の○○料理ジャンルを入力
- すると画面に評価点が書かれたマークが出る
- 評価の高そうなお店をタップして情報収集する
- step4お店の概要を把握する
- 営業しているか、閉店かを確認
- 営業時間を確認
- 客単価を確認
- step5お店のメニュータブをタップしてメニューを確認
- step6クチコミタブをタップして口コミを確認
- step7最終判断で行くかを決める
このGoogleマップで判断がつかない場合、Googleマップ→『インスタ』を見てみる
インスタグラム
Z世代と言われる層は、インスタグラムをフル活用しています。
初めて会う人に対し今後の連絡を取り合う選択は、LINE交換でしたが今はインスタ交換に置き換わっています。それくらいInstagramは若者に浸透してなくてはならないSNSとなっています。
日本国内で3,300万人以上が登録、その最大の強みは写真や動画が簡単に投稿、情報収集できるという点です。今やGoogleやYahoo!検索の次に検索機能を担う媒体となっています。
インスタグラムが支持される理由
インスタグラムのデメリット
インスタグラムで口コミ評価を見る手順
インスタグラムの場合は、口コミ評価を見るというよりは『投稿内容を見る』という考え方になります。
見るべきアカウントは大きく分けて2つあります。
- お店が発信している公式アカウントの投稿を見る
- ほかの人(お客さん)が発信している投稿を見る
今回口コミ評価を目的としているので『2』のほかの人が発信している投稿を重視して判断するといいでしょう。
インスタ投稿を見る手順を説明していきますね。
①Googleマップ→②インスタグラム→③食べ歩きブログ
- step1Instagramアプリを開く
- ホーム画面下の🔍マークをタップ
- ①検索枠に『山本 ハンバーグ 新橋』と入力または、②現在地から地図上で探す方法→ホーム画面で右上アイコンをタップして山本のハンバーグ新橋食堂を見つける
①
②
- step2おすすめ、アカウント、音声、タグ、場所、リール動画の『場所』をタップ
- 一番上に出てくる店名をタップ
- 画面に店名が出て、人気と最近のタブが表示される
- 山本のハンバーグ新橋食堂さんを投稿した『ほかの人』のインスタが見れる
- step3step1の①でアカウントをタップすればお店のインスタアカウントを見れる
こちらが『山本のハンバーグ』さんの公式インスタアカウント
- お店の概要
- 436投稿
- 3,956フォロワー
- step4インスタ投稿を見ていくかを決める
迷ったら、インスタ→『食べ歩きブログ』を見てみる
食べ歩きブログ
食べ歩きブログというのは、ブロガーと呼ばれる方たちがインターネット上へ投稿しているブログのことを指します。
芸能人のブログというのは聞いたことはあるかと思いますが、食べることが大好きな一般の人がお店をレビューしているブログもたくさんあります。
そんな方たちを『食べ歩きブロガー』と呼んでいます。
その方たちは、プロ意識が強く、公平に記事投稿をされており信頼度はとても高いと言えます。内容はインスタと同様写真が多くて、さくさくと読める内容で書かれています。
今更ブログ!?と思われるかもしれませんが食べ歩きブロガーさんは、『地域・場所』『料理カテゴリー』『ランチ限定』『居酒屋限定』などカテゴリー別に食レポしてくれているので使用用途によってくわしく情報を得ることが出来ます。
地域の例;『○○県 食べ歩きブログ』で検索して、場所でおすすめ店を探す。
ファンの方も多く、お店にとっても食べ歩きブロガーさんの影響力は大きくなっています。
食べ歩きブログのメリット
食べ歩きブログのデメリット
食べ歩きブログで口コミ評価を見る手順
①Googleマップ→②インスタグラム→③食べ歩きブログ
- step1Google・Yahoo検索窓に『食べ歩きブログ 東京 ハンバーグ』を入力
検索画面には、
- アメーバブログの『もっさんの食べ歩きブログ』
- FC2の『東京ハンバーグブログ』 …と続きます。
①まずは、一番上に表示されている『もっさんの食べ歩きブログ』さんをタップ
②ランキング55位、904フォロワー、1.4k投稿などのもっさんの概要を見ます。
③記事の表示をタップして『テーマ別』でハンバーグをタップ
④もっさんの投稿したハンバーグ店一覧が表示され目的のお店をタップ
※今回”山本のハンバーグ新橋食堂”のレビュー記事はなく、渋谷食堂店を表示しました。
⑤もっさんのレビューが始まります!
- step2他のブロガーさんの記事を見る
①『東京ハンバーグブログ』さんをタップ
②右のサイドバー”ハンバーグ 最寄り駅など”で『新橋 ハンバーグ』をタップ
③残念ながら『山本のハンバーグ新橋食堂』の記事はなかったですが、東京ハンバーグさんのおすすめハンバーグ店のレビュー記事が載っています。
- step3検索画面 したの方も探してみる
①関西地域の飲食レビューが多い、個人ブログの『Mのランチ』さんをタップ
②🔍検索窓をタップして『東京 新橋 ハンバーグ』を入力
Mのランチさんは”山本のハンバーグ新橋食堂”のレビュー記事は投稿されていないようです
③その代わりに『ハンバーグ』で検索すると関西を中心にしたおすすめハンバーグ店レビュー記事が表示されます
④補足:右上の3本線をタップすると、運用者の『M三郎』Profileが表示され自己紹介や、ブログ内容の説明が書かれています。
- ラベル食べ歩きブロガーの記事を見ていくかを決める
これらを見て、迷ったらグルメサイトなどもチェックする
食べ歩きブロガーへの疑問
- Qなんの目的で飲食店の記事をレビューしているの?
- A
- 広告収入…画面上の広告掲示
- 物販収入…画面上の広告商品を読者が購入しその手数料受け取り
- 地元飲食店を盛り上げたい…『食』が好きな方が多くひとりでも多くの人に美味しいお店を紹介したい、がんばっているお店を紹介したいという思いが強い。
- QAmebaブログと個人ブログってどう違うの?
- A
無料ブログサイトというのがAmebaやFC2などの会社サイトを借りて個人がブログ投稿しています。簡単に投稿できる反面、広告などの制約があります。
一方、自己ホスト型と言われ自らドメインやサーバを購入する個人ブログは自由にサイトをカスタマイズできて個人の責任において制約がないのが特徴です。
発信側の都合なのでそこまで気にする必要はないかと思います。
- Qブログ見たことないですが、ほんとにみんな見て参考にしてるんですか?
- A
はい、読者は多くいらっしゃいますし参考にされています。
下記は、ラッコキーワードというネット上の検索ボリュームを調べる事が出来るツールです。
ここで『食べ歩き ブログ』と入力し検索項目と検索ボリュームが表示されるのですが、各都道府県ボリュームがまんべんなくあります。
つまり、『食べ歩き ブログ ○○県(○○市)』と検索して調べる人は多いということです。
- Q食べ歩きブロガーさんって、もしかしてインスタもされてますか?
- A
はい、多くの食ブロガーさんはインスタやX(旧Twitter)でも発信されています。
理由は少しでも正確で有益な情報を発信するためです。
食べ歩きブログ おすすめの使い方
『場所×食べ歩きブログ』と検索するのが一般的ですが、私は
『料理ジャンル×食べ歩きブログ』と検索し変態的にそのジャンルに詳しいブロガーさんを見るのが大好きです。調理師の立場からみれば、専門性は抜群でそこまで知っているの!というようなコメントも多いからです。
例えば、
- ラーメン 食べ歩きブログ
- そば 食べ歩きブログ
- 寿司・回転すし 食べ歩きブログ
- ピザ 食べ歩きブログ
このように料理ジャンルを入力したら、そのジャンルにすごく詳しいブロガーさんがいらっしゃいます。専門性の高いブロガーさんの記事を見るうちに、ファンになって実際に紹介店へいくこともしばしばあります。
もちろん、飲食店側から紹介料などは一切ありません。純粋にブロガーさんの忖度なく書き込みされている点が信頼がおけるところです。
【2024年最新】プロの料理人が教える口コミ評価が高い飲食店を探す方法
企業の発信力が強い一方で私たち個人が発信する『口コミ評判』はいままで以上に重要になっています。
その中で、Googleマップ、インスタ、個人ブロガーの『個』の信ぴょう性は高なりだいじな判断基準となってきました。特に個人で発信されている方は、お店の雰囲気の捉え方・写真の取り方・調理方法・調理知識が豊富ですばらしいのひとことです。
世の中には情報があふれて何を信頼していいのかわからない状態です。
企業や個人の情報も結局は、受け取る側が取捨選択して判断します。ですので、しっかりと見極めるちからを付けましょう。
しょく選び.comは食に携わる全ての人を応援しています。
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